「誰か」は怯える教師を壁に追い詰める。
そして、肉包丁を握った手を大きく振り上げた。

そして、何の躊躇いもなく肉包丁を振り下ろした。
肉包丁はいとも容易く教師の右肩を切り落とした。
相当切れ味がいいのだろう。
その断面は見事な程に真っ直ぐだった。
ゴトッと教師の右肩から指先までが落ちる音がした。
教室中がシンと静まり返る。
長い沈黙の末、教室にいた生徒の1人が叫び声をあげた。
長い叫び声だった。
その叫び声は感染していった。
教室中の生徒が叫び、逃げ惑う。
隣のクラスの生徒が野次馬のように廊下に出てきては右肩を切り落とされた教師を見ては叫んだ。