学校というよりは洋館。
洋館というよりはお城。
お城というよりは、宮殿。
それが私が通う高校───聖スタリーナ女学院だ。
ここはケタ違いのお嬢様ばかりが通う、日本一のお嬢様学校。
1人に必ずついている専属執事。
女子校だけれど、もはや共学にも思えてくる高校である。
「あっ、理沙おはようっ!!明けましておめでとうっ!!」
「…明けましておめでとうバカエマ」
「もーっ!年が明けてもその呼び方っ」
「当たり前でしょ?」
教室に入ると、珍しく私より先に来ていた柊 エマ(ひいらぎ えま)がいちばん最初に挨拶をしてくる。
冬休みが明けても年が明けても変わらない賑やかさには、もう慣れてしまった。
そんな唯一の友達であるクラスメイトを、私は“バカエマ”という愛称で呼んでいる。
その理由は今にも分かるはずだ。
「ハヤセおかわりっ!!えへへっ、もう3杯目!!」
「よく噛んで食べてくださいね、エマお嬢様」
「うんっ!」
自慢気に言ってどうすんのよ…。
ここの校則しってる?
上品かつおしとやか、よ?