「み、ミリィ…」
「アスター王子……脱がせたぼくを全裸で抱きしめて…ストリーキングして……挙げ句、ストーキングとのぞきですか…?」
「の、のぞいてない!…ひ、必要な時に視ただけだ」
「……へぇ?“視た”んですね?どんなことをどんな時に視たんですか?」
「そ、それはだな…」
「なぜ、すぐに言えないんでしょうかね?やましい事があるからですか?」
「や、やましい事なんて無いぞ!」
「じゃあ、説明できるはずですよね?」
「う……」
わたしが笑顔でアスター王子を問い詰めていると、突然マリア王女が吹きだした。
「くくっ……アスター兄上、見事にミリュエールに尻に敷かれておるな?」
「は?マリア殿下…さすがにわたしも変態なアスター王子と違って、ひとに座る趣味はありませんが…?」
「誰が変態だ!」
わたしがマリア王女の発言に眉をひそめると、なんか余計な抗議をする人がいるから、じろりと睨みつけ黙らせた。
「人をひん剥いて裸で抱きつく…全裸で外を走り回る…人の居場所を把握しようとする…おまけにのぞき。どれ一つとっても変態なんですが?」
「ぐっ…」
「やっぱり変態の総大将ですね」
「変な呼び名を作るな!」
「実に面白いのう!あのアスター兄上が、ミリュエールにやり込められているのを見るは実に爽快じゃ!」
「ま、マリア……なんだ、その笑みは?」
「別に何もないぞ?ただ、真実は正しく伝えるべきと思ったまでじゃが?」
「マリア殿下…さすがにそれは可哀想なので、やめてください……」
「……おい、ミリィ…なんだその憐れむような、可哀想な子を見るような目は……」



