【完結】捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?


「ちなみに、わらわの初恋は3つの頃じゃ!」
「えっ!そんなにお早いのですか!?」

マリア王女は嬉々として自らの恋愛経験を披露されたけれども…。

3歳で初恋? 普通、その頃はまだ美味しいもの楽しいものが興味の中心で、異性とかの区別もついてない…はず。まぁ、わたしも普通の子どもとは言い難かったけど。

「そうじゃ!アルベルト兄上に恋したのぅ。当時兄上は20歳で誰よりもお優しく公平な方でいらしたが、長子でありながら生母の身分が低いため、不遇をかこっておられた。その不憫さに同情が、いつの間にか恋慕に変わっておっての…じゃが、異母でも兄妹…とても結ばれぬ禁断の恋じゃ。わらわは、涙を飲んで諦めるほかなかった…」

胸に手を当てて項垂れるマリア王女……芝居がかった大げさな動作と酔うような話しぶりは、さすがレスター王子とご兄妹だけありますね。

「それから次々と恋はしたが、運命と言うべき恋はしたことがない。いつもすぐに諦めることができたからじゃ。のう、ミリュエール。本当の恋はこの人でないと!と、決して離れたくないと恋うることなのじゃろ?出逢った瞬間に、ビビビッとくる!とも聞くな。ミリュエールも、運命の人はいたのか?」

そんな、キラキラした瞳で見られましてもね……。

「あまり期待なさらないでくださいよ…おそらくマリア殿下のお望み通りのお話はできませんから」
「別に、よい。わらわのような恋多き女は数少ないとはわかっておる」