【完結】捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?


「素直に、手を出してくださいね?」
「……はい」

散々逃げ回ったアスター王子の手にようやく触れた時、案の定めちゃくちゃ熱かった。

「アスター王子!やっぱり熱があるじゃないですか!裸で外を走り回ってるからですよ」
「いや、それはミリィのせいだろう!」
「なにおっしゃいます?元々、あなたが裸でぼくを抱きしめるからじゃないですか!しかも、ぼくのベッドに侵入してまで」
「元々オレのベッドだろう!?」
「いや、それでも部下を強引に同室にした上ベッドに連れ込んで裸で抱きしめる…って、意味わかってますか?」
「ベッドに連れ込んでなどいない!そ、そうしたいのは山々だが…」
「声が小さいんですが?」
「だ、だから!ミリィがオレのベッドに入ってくるんだ!疲れ果てた時……オレは嬉しいが……」

衝撃の事実(?)をアスター王子に明かされて、そうなのか…と、ストンと納得がいった。

確かに、いつも疲労困憊になってふらふらの翌朝そうなってた。無意識にアスター王子のベッドに入っていたなら、申し分ない。

「それはすみませんでした……今後気をつけます。やっぱり、部屋を戻してください。それならさすがにぼくも間違えないはずです」
「い、いや!それは……」
「だいたい、いくら婚約者とはいえ、未婚の男女が同室にいる事自体が不自然なんですよ。今からでも見習い寮に空きがないか訊いてきます…と、その前にあなたはまず寝ててください」