まさか、炎獄のケルンがドラゴンに変化するなんて。完全に予想外だ。
とはいえ、空には既に味方がいた。
「バーミリオン、行くよ!空中ならば私たちのフィールドだ!!」
《おうよ!》
アリシアお祖母さまがそう宣言し、パートナーのドラゴンとともにケルンに立ち向かう。とはいえ、一人だと分が悪いのは明らか。だからか、娘(わたしには叔母様)たちとともに編隊を組んで攻めた。
さすがに竜騎士は空中戦に強い。完全に独壇場だ。
二手に分かれた竜騎士はそれぞれの武器と騎竜の属性を活かし戦う。
それでも、ケルンの内部に溜められていたエネルギーから発射される熱光線は、避けるしかないらしい。
供給源は完全に遮断されたのに、ケルンはずっと熱光線を撃ち続けている。わたしたちの目論見は、もしかしたら無駄だったのか?
(いや、それはない。マリア王女もアスター王子もあれだけ頑張ったんだ。絶対無駄じゃない!)
それより、とわたしは歯がゆい思いに胸を焦らす。
ケルンが空中戦となり、たくさんのゴーレムはお祖母さまたちにより核が破壊され、ほとんど動きを止めた。
呪術師のゴーレムはまだ捕らえられてはいるものの、結界を張られ近寄れない。
わたしには、できることは無いのか?必死にない頭で考えるけれども、現状でできることはあまりに少なかった。



