こちらへ向けてケルンの熱光線が炸裂した。
すぐさまランスを構え、防御の姿勢を取る。
アスター王子が魔術で防護壁を展開してくださるけれども、やはり今までより桁違いの攻撃力。突き抜けた熱量は半端なく、ジリジリとした熱さが伝わってくる。
(耐えろ……ケルンは倒さねばならない。わたしがみんなの盾になるんだ!)
身を焼かれるような熱に耐える時間は長い。歯を食いしばり耐えきった後、なんとか前を向いてアクアの横腹を蹴った。
「ミリュエール…」
「ミリィ、大丈夫か!?」
「これくらい、大丈夫だ!それより今がチャンスだ!!」
マリア王女とフランクスが心配してくれたけれども、わたしはすぐに頷き大丈夫とアピールした後、2人を援護すべく動く。
アスター王子は反対側にいる。
マリア王女が提案した地下の膜を張る補助のために待機しているんだ。
「よし、この辺りでよい。地下水脈が安定した場所じゃ」
マリア王女がそうおっしゃるから、彼女を下馬させてわたしとフランクスの2人で周りを囲む。
マリア王女は木の枝で円陣を描き始めた。
けれども、ゴーレムたちがなにか気づいたのか、やたら接近して群がってくる。
フランクスと2人でゴーレムを排除しながら、マリア王女の魔術の発動を待った。



