「行くよ、アクア!」
「ブヒッ!!」
ランスを構えたわたしは、炎獄のケルンへ向けて突撃する。
やや後方からマリア王女を連れたフランクスと騎馬。
石人形たちがこちらへ群がって来るけれども、すべて一振りで薙ぎ払う。
「はぁあッ!」
やはりブラックドラゴンの角で出来たランスだけあり、触れただけで石人形はあっという間に崩壊する。ただ、アスター王子の情報にあったように、辺りにある土や石でまた再生してしまう。核がわかればそこを破壊するのだけれども…数の多さから、とてもそこまで見切る余裕は無い。
(とにかく今は、ケルンに近づくことを最優先にする!マリア王女たちを確実に護らねば)
どうしたか、今ケルンは動きが止まっている。それでも地下からのエネルギーはずっとケルンに供給されているのだろう。次に来る一撃はより強いものになりそうだ。
「ミリィ、マリア!なぜ、来た!?」
ファルコに騎乗したアスター王子が、こちらへやって来た。やはり、顔が真っ青で汗もすごい。思わずわたしは懐にしまっていたハンカチを取り出し、彼に近づいて額の汗を拭った。
「すごい汗ですよ。このままだと体が冷えて風邪を引きます。ちゃんと拭いてくださいね……というか、もう無理しないでください」
自然とそう出来たことに、自分自身も驚いたけれども。アスター王子も目を見開いていた……うん、やっぱりわたしのイメージじゃないんだろうね。



