アスター王子が、駆けつけてくれた。
ゴーレムや魔獣兵の襲撃をかいくぐって。
その安心感は、今のわたしにはどれほど心強かったか。
でも、とわたしがチラッと王宮の方向を見ると、まだゴーレムや魔獣兵たちは存在して襲撃が続いている。今も国王陛下や皆を護り戦っている人たちがいるならば、有能なアスター王子はそちらへ行くべきかもしれない。
「アスター王子、助けてくださってありがとうございます。ですが、まだゴーレムや魔獣兵が王宮を襲撃しています。国王陛下を御守りするためにも、そちらへ行かれた方が…」
「父上ならば大丈夫だ。エストアール卿とともに、むしろ自ら先陣を切り魔獣兵を討伐されていらっしゃる。“国王となり戦いに遠ざかっておったが、久しぶりに血が沸き立つわ!”と実に愉しそうでいらしたよ。オレが離れるまでに、20は討伐されていた」
「……さすが、ですね」
わたしがアスター王子に進言すると、彼から今の国王陛下らしい武勇を聞かされた。
わたしのお父様と武芸を競っただけあり、さすがの武闘派。自ら剣を振るい魔獣兵を倒しているならば、普段より鍛錬を怠らず少しも衰えてないのだろう。
「母上も祖母様も、結界を強化された。ゴーレムも魔獣兵も弱ってくるだろう」



