「対策は…そうねぇ。本人がどうにかしないといけないから、特にできることはないわねえ」
ソニア妃の発言にガックリ来た。
御母上様がそうおっしゃるなら、こちらにできる事なんて無い…。
再度のストリーキングをさせないために、どうにか裸になるのを防止したかったんだけど。
「それよりも、よ!」
わたしがガックリ肩を落としているところに、ソニア妃がぐぐっと顔を近づけてくるから、たじろいで身体が後ろにのけ反りかけた。
「ミリィちゃん!ご両親をお呼びするわよ!」
「はい…?」
「婚約式をきちんとやらないといけないわね。まだまだ、ミリィちゃんとアスターの婚約にケチをつける人はいるでしょう?だから、パーッとみんなに見せつけてあげるの!ミリィちゃんはアスターの立派な婚約者だって!」
ソニア妃のおっしゃる通りに、つい先日にも候爵令嬢に絡まれたばかりだ。国王陛下が裁可され発表されたとはいえ、この婚約に疑問や文句がある人は多い。それに…
「ソニア妃様。アスター殿下も本気ではありませんよ。たぶん、令嬢避けのためです。ですから、婚約の儀をするつもりもないんでしょう」
わたしがレスター殿下の婚約者になったとき、そしてレスター殿下がアニタ准男爵令嬢を婚約者としたとき、アルベルト殿下とソフィア公爵令嬢が御婚約された時、すべて御婚約の儀が行われた。
国内外に正式な婚約だと披露し周知するためで、ここゼイレーム王国では婚姻の儀と同じくらい重要度が高い。
普通は婚約に同意して半年以内には行われるけど…婚約して8ヶ月経つのに、アスター王子から一言もその話が出ないことからも、これが本気でない証明になるよね。



