【完結】捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?


水筒に入った水の冷たさで、少し熱さが緩和された気がする。

フランクスの言葉はまったくもってその通りで、わたしのなかで張りつめていたものがわずかに緩んだ。

「……ありがとう。確かに、そうだね」

受け取った水筒を手にして蓋を開けると、そのまま水を口にしようとしたけど。

(……ん?)

すぐに、その異変に気がついた。

「どうしたんだよ、ミリィ。この暑さでちゃんと水分補給しないと保たないぞ?」

フランクスはわたしの身体を心配したのか、じっと見てくる。このまま飲まないのはまずいと思ったわたしは、ついつい手をすべらせる事にした。
バシャリ、と派手に水筒の水を地面へぶちまける。


「あーっ!疲れたのかな?ついつい水筒を落としちゃったよ」
「おい、自分のドジをそんな大声で言う必要があるのかよ!?」

フランクスに指摘されたとおりに、確かに必要以上に声を張り上げてしまっていた。普通ならば自分の失敗やミスはできるだけ隠すべきだろう。

……普通ならば。

「ごめん、ごめん!井戸で汲み直してくるよ」

フランクスにこれまた大声でそう告げると、彼から素早く離れる。距離をおいてからそのまま小走りで
医務室へ向かった。