【完結】捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?


「アタシも騎士見習い時代は困ったもんだよ。ソニアは寝るときなーんも身に着けないからさ。どんだけ口酸っぱく言っても聞きやしないから。おまけにマッパ(真っ裸)で部屋をうろつくからな〜」

ソニア妃の小姓だったピッツァさんも同じ目に遭ってたなんて…ますます親しみを覚えるな。

「あらぁ、人間たまには自分を解放しなきゃ〜」
「開放しすぎて王宮もマッパのままうろつくんじゃないよ!あん時どんだけアタシが迷惑かけられたか自覚あるのか?」
「そうぉ?別にいいじゃないの~お母様もお祖母様も同じ事をされてたわ。うちの伝統よ」
「よかねぇっつの!…ってか、先祖代々マッパかよ!!」

あのピッツァさんさえ手を焼くゴーイングマイウェイなソニア妃……。アスター王子がマシに見える不思議……いや、ほんの少しだけですけどね。
というか、アスター王子の祖母様や曾祖母様までが裸でうろつくって…どんな家だろう。

「でもね、うちが先祖代々暑がりなのにも一応理由があるのよ〜」
「アスター王子が裸でうろつくのも同じ理由でしょうか?改善方法はありますか?」

ソニア妃に訊ねると、いい質問ね、と彼女はにっこり笑う。

「わたしの実家のアーク家では、先祖代々子どもは必ず膨大な魔力を有して生まれてくるの。でも、そのまま放置すると暴走して危険だから一時的に魔力を封じ込めるの。それは親の手によってね……大人になるまでにコントロールを覚えて成人したら開放するのだけど、それでも魔力が暴走する危険は常にある。自らの強い意志で制御するけど…魔力の凄まじいエネルギーが身体の中で燻ってるの。だから、眠る時は無意識だから、魔力の熱で身体がジリジリ焼けるようにすごく熱くなるのよぉ」