そして1時間後……。
わたしの頭の中はのぼせたように真っ白で、熱くなってた。
「あー…やっぱ、ミリィには刺激強かったかぁ。けどよ、いずれ知らなきゃならんことだったかんな」
ピッツァさんはしれっとおっしゃいますが……刺激が強いどころか、わたしにはどんな戦いの話よりも衝撃的だった。これまでの価値観が破壊され、ひっくり返りそうになるほど。
ショッキングな内容に思わず惚けたようにぼんやりしてしまったけれども、頭をぶんぶんと振ったあとに自分のほっぺたを思いっきり両手で叩いた。
パン!と鋭い音と痛みが、意識をはっきりとさせてくれる。
「大丈夫です。教えてくださいとお願いしたのはわたしですから、ピッツァさんは何も悪くありません……ただ、世の中の夫婦はみんなそんなことを当たり前にすると知って衝撃的ではありましたけれど……」
「ガハハハ!さっすがミリィだな。肝が座ってるわ。ま、馬を扱うなら馬の種付けくらいは知ってるだろうがな」
「……はい。一応、アクアが生まれた時も母馬の種付けから見てますから……馬の生殖行為自体は見慣れてはいましたが…」
騎士の騎馬になる馬は血統が管理され、遺伝的要素を考えて交配される。より頑丈で戦いに強い馬になるように。だから、幼い頃から馬の種付けは見慣れてはいたけれども……。
まさか、人間の“それ”がもっと複雑怪奇なものだとは思わなかった。



