「がははははは!そんなに褒められ持ち上げられたら、なんもしねぇわけにはいかないわな」
まさに豪放磊落(ごうほうらいらく)を地でいくピッツァさん。体だけじゃなく、口を大きく広げて笑った。
そして、わたしにこう訊ねてくる。
「ま、アンタがとことん無知なことはわかった。アタシもそうだったが、ガキの頃は男どもに混じって暴れてたろ?」
「はい、確かにそうでした」
やっぱり、ピッツァさんも騎士を目指すからには昔から活発だったんだ。まぁ、逆におとなしい彼女は想像すらできないけど。
「やっぱりなー…まぁ、アタシの場合一応ガキの頃に同郷の領民の息子に惚れたことはあったけど、まぁガキだからいじめることしかできなくて泣かせてばっかだったなー…あの頃はマジでガキだったわ」
しみじみと語る意外なピッツァさんの初恋……というか、好きな女の子をいじめて泣かすのは男の子じゃ…さすが、雄々しいピッツァさんらしいエピソードだ。
「ま、アタシもミリィみたく貴族令嬢の教育は大抵逃げてたかんなー。そういった知識や経験を得たのは騎士見習いから騎士になってからだわ。だからまぁ、雄しべと雌しべ…みてぇなお上品な教え方はできねえぞ?」
ピッツァさんが頭をガリガリ掻きながらそうおっしいますが……わたしにはその“お上品な教え方”が一番嫌なんだ。
やっぱり、騎士の修練と同じで実践的なものがいい。
「はい。わたしは覚悟していますから、大丈夫です。むしろ、具体的な方がありがたいです」
彼女に向かってコクリと頷いた。



