「お、やっとこそういった気になったか〜」
ガハハハ、とピッツァさんは相変わらず豪快な笑い方をする。でも、と彼女はなぜか少し真面目な顔をして眉を寄せた。
「けど、な〜アタシでいいのか?アタシは結構偏った知識しかないぜ?将来王妃になるなら、ちゃんとしたやつから教わった方がよかないか?」
珍しく、ピッツァさんからそんな発言が飛び出した。いつもだったらゴリ押しくらい話してくるのに、やっぱり彼女もわたしがアスター王子の妃に…将来王妃になる、と覚悟をしているから、それなりに思うことがあるらしい。
普段はそれらしく無いとはいえ、やっぱり彼女は騎士であり伯爵令嬢だ。いずれ主君になるかもしれない相手に、遠慮と言うか気遣いを見せる。当たり前かもしれないけれども……去年からずっと親しくしているわたしからすれば、距離を取られたようで寂しかった。
わたしはピッツァさんに向かい、ぶんぶんと首を横に振る。そして、まっすぐに彼女の目を見据えてこう告げた。
「……わたしは、ピッツァさんだからいいんです。昨年からずっと親しくしていただいて……僭越ながら、きょうだいのいないわたしにとって、ピッツァさんは本当の姉みたいに親しみと情を感じてました。強くて、優しくて、かっこいい。騎士の先輩としても素敵な人だって…だから、あなたがいいんです」



