【完結】捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?


ノプットのキルシェ女王陛下には、一度だけお会いしたことがある。
お母様の里帰りに着いてノプットに帰国した6つの頃だ。

領地が僻地にあるブルーム家のレンガ造りのマナーハウスは本当にこじんまりしていたし、少し裕福な地主くらいの規模しかなかったから、貴族でもそんなに上位には思えなかった。
その代わり、いろんな人が入れ替わり立ち替わり出入りしていて、女王陛下もそのお一人。

お母様と同じ白銀色の髪と淡い水色の瞳を持ったとてもお美しい方で、お母様よりお祖父様によく似ていらした。

“わたくしもここで過ごしたのよ”と、わたしの頭を撫でながら懐かしそうに語ってくださって。

意外なことに、彼女も騎士を目指したこともあると聞いた。

あの時はまだ竜騎士のことは話してくださらなかったし(たぶんそれはお母様の差し金。もとからわたしが騎士を目指すことを反対していたし、竜騎士のことを知ったらそれを目指すと言い出したのは明白だと思う)、おそらく実際は騎士でなく竜騎士のことだったんだろうけど。

“やっぱりわたくしは非力で……悔しかったわ。男性ならば容易いことが、女というだけでこんなにもハンデになるのか…と。だから、女性でも騎士(竜騎士)になれた方は素晴らしいと思うの。それだけでもわたくしには英雄よ”

彼女の無念そうな言葉と表情が、わたしの中で深く刻まれて……わたしは、より強く“騎士を目指す”という夢を抱くようになった。“女性でも騎士になれるはずだ”、と。