【完結】捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?



たぶん、照れくさかったんだろう。
アスター王子は急に鬼教官モードになり、ランスの扱いの猛特訓を受けた。

アスター王子の愛馬ファルコを借用して、その馬上で実際にランスを振るう。


(……今だ!)

回転する人形相手に突撃し、スピードに乗せてランスを繰り出す。

わたしが今まで最も不得手だった部分だ。

(体重でなく、スピードを乗せて…突き出す!)


「はっ!」

ランスの穂先から、人形に当たった確かな手応えを感じた。


「よし!それでいい」

初めて、アスター王子からそんな言葉を貰えた。
でも、自分自身ではまだまだだ。

「もう一度、やります!」
「そうか」

ファルコンには申し訳ないけど、この感じを忘れたくなくて、もう少し練習しておきたい。

アスター王子もわたしの性格を熟知しているからか、何も言わなかった。ただ、いつもより厳しいダメ出しと指導がはいったけど、それくらいで折れたりしない。



「……よし、やめ!」


アスター王子から静止が入ったのは、何十分後だろう。無我夢中になりすぎて、わたしもファルコも汗だくだった。

「……すみません、夢中になりすぎました。ファルコを疲れさせてしまいましたが…」
「これくらいならば、ファルコは一晩眠れば回復する。心配するな」

さすがに英雄の愛馬。体力も回復力もケタ違いみたいだ。