「……アスター王子、わたしは言いましたよね?なにかあれば話してください…って。不満があるならば、他人でなくわたしに話してくださいよ?」
「……はい」
「ヤキモチを焼くのは自由です。でも、それを6つも年下の子どもにぶつけるヒマがあれば、わたしに言葉で伝えてください。それとも言葉が喋れない動物なんですか?」
「ぐ……そ、そんなことはないぞ?」
なにか反論して来ようとしてきたからじろっと睨みつけると、アスター王子はすぐに口をつぐんでた。
はぁ、と特大のため息をつくと、ビクッと彼の身体が揺れる。小動物みたいでかわいい…と思ったのは内緒だ。
「いいですか、アスター王子。わたしはあなたを理解したいと思っています。ですから、あなたが思ったことをどんどん遠慮なく伝えてきてください。みっともないからとか、余計なプライドは捨ててくださいよ?そんなのは今さらですから」
まだ成人前の見習いの小娘に正座で説教される、騎士であり王子……それだけで充分恥をさらしてるけどね。
「……わかった」
本当に理解してくださったのか怪しいけど、そう答えたからようやく許して彼の正座を正せば……なぜか、フランクスが複雑な顔をしてる。
「どうしたの、フランクス?まだ訓練するんだろ?」
「あぁ、まあ……だけど、なんかすごいもんみた気がする……」
「はぁ…?」
「……アスター王子ってやっぱりドMなんだなあ…やっぱりドS気味のミリィがお似合いだよ」
「……ありがとう?」
苦笑いしたフランクスは「今日はもういいや」と訓練場を後にした。



