【完結】捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?


アスター王子の子どもっぽいヤキモチは、今に始まったことじゃない。
思い返せば、1年以上前からその傾向はあった。

当時はどうしてなのか、まったくわからなかったけれども。
嫉妬という感情を覚えた今は、アスター王子の態度がそうなんだと理解できる。

わたしも、まだ見ぬ女性がアスター王子に愛されているのでは…なんて想像しただけで、嫌な重苦しい気分になる。胸のうちにずっしりと黒い塊を飲み込んだような、どろどろした感情。

でも、それは己の勝手な私情。
自分が嫌だから、彼を取られたくないから。その感情を他人に向けるのは間違いだ。
自分の思い通りにならないから、と。他人を害したり迷惑をかけるのはもってのほか。

人生はままならない、思い通りにならない方が多いのだから。そんな無意味なことをしているよりも、別のベクトルで努力すべきだろう。

そんなわけで、アスター王子の嫉妬深さをどうにかしないと、業務に支障が出てくる。わたしは腰に手を当ててにっこりと彼を睨みつけて差し上げましたよ。

アスター王子はわたしの前で正座をして膝に両手を載せてる。わたしが叱責すると、最近こんなふうに座るから、なぜか“アスター王子はドM”疑惑が出てる……ドMってなんだろう?