【完結】捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?


エストアール家の人間は代々魔力を持たない。ゆえに魔力酔いなんて無縁できたから、魔力の知識や対処方法はさっぱりだった。
お母様の実家であるブルーム家では、当たり前に皆魔力持ちらしいけど。あいにくお母様は魔力をお持ちではなかったんだ。

ただ、例外的に龍騎士だけは後天的に魔力を宿すこともあったらしい。伝説の龍騎士と言われたエストアール家の龍騎士、ユリウスがそうだ。
龍との会話や連携のため、相棒であるドラゴンに魔力を分け与えられたらしい。

(わたしも、ブラックドラゴンに認められてこの短剣を授かった。その力に相応しい力を身に着けることが彼への恩返しになる)

魔力制御だけでなく、魔術への知識や対応。今まで皆無だった知識だけど、がむしゃらに勉強してきたら、なかなか面白いのだと気づいた。

相変わらずわたし自身に魔力は無いけど、ブラックドラゴンの短剣を身に着けていたら、なんとなくだけど周囲の魔力を感じられるようになってきた。

魔力は水や風のようなもので、あちこちに存在してる。特に、自然が多い場所により強く感じる。

今まで知らなくてスルーしてきたものが、こんなにもあるんだ…と目がひらかれた思いだった。

「ほー…おれにはよくわからないが、そうなんだな。ま、確かに騎士の中でも魔力持ちなんざめったに居ないからな。アスター殿下は例外中の例外。実際、魔術師に攻撃されたら危ないどころじゃねえもんな」

フランクスが危惧するとおりに、魔術師に対応できる騎士はあまりに少ないのが現状だ。
アスター王子が部隊に専用のトレーニングをさせてはいるけど…。