「ミリィ……オレが怖いか?」
意外なことをアスター王子から言われ、ぎょっとした。
「そうやって強がるくせに、実際は微かにでも恐怖を感じてる……おまえの癖だ」
「なぜ…そんなことを?」
別に強がっているつもりはないけれども、今回は確かにアスター王子の指摘どおりだから驚いてしまう。
わたしが今まで抱いてきた恐れを、こんなにもすぐに見抜かれてしまうなんて。
「おまえが強がる時は、少しだけ指先が冷たくなり微かに震えてる…1年、ずっと見てきたんだ。理解できない方がおかしいだろう?」
わたしをやっと離したアスター王子は、真面目な顔をして間近からわたしの顔を覗き込んだ。
わたしを理解してくださる言葉は、素直に嬉しい。
「おまえが本当に嫌ならば、無理強いはしない。ただ、オレが男である以上こういったスキンシップが欲しい時もある。もちろん、まだ子どもが出来るようなことはしないが……」
子ども……?
アスター王子からそんな言葉が飛び出して、急に意識してしまう。いずれ、彼との間に子どもが出来るのだと。
国王と王妃ならば、世継ぎの子どもは絶対に必要だ。王妃になる覚悟をしたならば、絶対の責務と言える……言えるのだけれど。
抱きしめられただけでもこんなふうになるのに、この先は一体どうなるのか。不安ばかりが募ってしまうけれども。
ソニア妃がすでにアスター王子との子どもならば、高い魔力を持って生まれると指摘してくださった。
その点を含めて、きちんと考えなきゃいけないんだ。



