「よ、ミリィ。熱が出たって?」
お昼近くになってから、ピッツァさんがお見舞いにやってきた。
いつまでもわたしのそばに居ようとするアスター王子を部屋から叩き出し、一人になった頃合い。
いちいちわたしの微熱程度で大切な役割を放棄して欲しくなかったからだ。
「……アスター王子から聴きましたね?」
「まぁな。あいつが“様子を見てきてくれ”ってたまたま王宮に来たアタシに泣きつくものだからさ」
「過保護過ぎるんですよ、アスター王子は。微熱くらいで、明日には下がります」
予想どおりの展開にため息をつけば、ピッツァさんがあっはっは!と呵々大笑。
「ま、心配すんのもあいつの仕事のうちだわな。逆にミリィだって、アスターが熱を出した時は心配したろ?」
彼女の言うとおり、春にアスター王子が熱を出したのは魔力の暴走によるもの。確かに、あの時は心配でしかたなかった。
「……確かに、そうですね。原因がわかってはいても、アスター王子がつらそうなのは見ているこちらも辛くなりました。わたしが代わってあげられたら…なんて、何度思ったか。解決するためなら、なんでもしたい、って思いましたね」
ピッツァさんは、フッと口もとを緩めてわたしの言葉を肯定する。
「だろう?だから、アスターもそっくり同じことを考えてるんだよ。いや、むしろもっと強いかもしれねえがな…お互いがお互いを大切にしてんだ。大げさかもしれねえが、たまにはアスターに甘えてやれよ」



