【完結】捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?





(うーん…頭まで痛くなってきた)

ただの微熱だと思っていたのだけれど、熱っぽさとだるさはどんどんひどくなってきたうえに、ズキズキと頭まで痛む。
こんなふうに体調を崩して寝込むのは、ほんの小さな時以来だ。

(あの時はお父様が大騒ぎしたっけ……)

普段は冷静なお父様だけど…ベッドで横になるわたしの周りを落ち着きなくうろうろして、看病してくださるお母様に邪魔だと叱られ部屋から出されたんだよね。

その時のことを思い出すと、ついつい思い出し笑いをしてしまう。

ふと意識を現実に戻せば、誰も居ない部屋に自分ひとり。当たり前だけど…ほんの少しだけ、心細くなったのは体調ゆえの自分自身の弱さだろう。 

(こんな程度で甘ったれない…!こうなったら、しっかり休んで早く体調を回復することが一番だ)

前々からアスター王子や他の人にも散々言われてきたじゃないか。もっと身体を休めろ…と。
無理がたたってこうなったのも、自己管理が甘かったせいだ。がむしゃらに走るだけでなく、休むべきときに休まなかったわたしの落ち度。
これからは、しっかりタイミングを見て身体を休めねば。

そう決意をしていると、ガチャッとドアが派手な音を立てて開いたのだけれども…。

アスター王子が視界を遮るほどたくさんのものを抱えて持ってきていた。