「おーい、そこ!女の齢を簡単にバラすなよ〜」
まだ葉巻きをくわえた高祖母様が、いつの間にかセシリアにもたれかかっていた。今の今までまったく気配を感じなかったのに。さすがはおちゃらけた方でも当代一の龍騎士だからか、身のこなしが素晴らしい。
《やれやれ…なぜ、人のメスというものは年齢などにこだわるのだ?齢を重ねるは素晴らしきことではないか。生きれば生きるほど知識や経験が増える》
セシリアは呆れた“声”でおっしゃる。その点はわたしも同意したい。
「そうなんですよね…逆にわたしは若いからいい、とは思いません。早く成人してお父様やお母様の負担を減らし、自分自身のことは自分で責任を取りたいと思うのです」
わたしの考えを、高祖母様はカラカラ笑われた。嫌で不愉快な笑い方ではなく、呵々大笑といったさっぱりしたものだ。
「アハハハハ!責任感が強くて結構。だが、アンタは現にまだ子ども(ガキ)だ。その間は存分に親に甘えとけ!ガキの時間は短いんだからな」
高祖母様にぐりぐりと頭を撫でられ、思いっきり髪が乱れる。この癖もピッツァさんそっくりだ。
「ちょ、やめてくださいよ!」
「アハハハハ、いっちょ前に髪型気にするようなら、立派な貴婦人だな」
「貴婦人じゃなくても、気にしますって!」
「ういやつよの〜」
《アリスティア、からかうのはそのくらいにしておけ》
セシリアに諌められ、高祖母様はようやく手を止めてくださったけど。髪型は悲惨な状態に…。せっかく毎朝苦労して整えているのに。



