【完結】捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?


確かに、エストアール家でも龍騎士は何人かいた。
でも、昔過ぎて今ではその存在はもはや伝説の域だ。

「エストアール家の龍騎士……というと、最後の龍騎士であるユリウスですか?」
《いかにも。我が友であるラピスの良き相棒(パートナー)であった女よ》
「えっ…ユリウスは、女性だったのですか!?」

初耳の事実だ。
エストアール家33代前のご先祖様である、ユリウス・フォン・エストアール。ゼイレームで活躍した最後の龍騎士と言われたとおりに、それ以来ゼイレームには龍騎士が存在しない。
数百年前の伝説的な彼?のことは、伝記で知ったくらいだ。お父様も代々伝わる話では男性前提で話すものだから、すっかり男性だと思いこんでいたけれども。

《まだ、たかだか800年かそこら前の話ではないか。よもやその程度の時間経過で、事実が捻じ曲げられるとはな。ラピスもユリウスも嘆くであろうよ》

セシリアはたかだか……とおっしゃいますが……

「あの、800年前は人間にとってとてつもなく長い時間なのですが…だいたい、エストアール家だけでも33人当主が代替わりしているのです。その間、情報が誤る可能性は高いのではないですか?」

《……人間の命は儚きものよな。アリスティアでさえ、まだ100ほどしか生きておらぬ》
「……は?」

しみじみとセシリアが呟いた内容がとんでもない。
アリスティア高祖母様が…100歳!?あの容姿で!??