【完結】捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?


「うん、やっぱアンタは騎士であると同時に竜騎士だな。だったら、今回の作戦もやりやすいんじゃねぇか」
「作戦、ですか?」

高祖母様の発言を反芻すれば、アスター王子がすぐに補足の説明をしてくださった。

「ノプットのキルシェ女王陛下から正式な申し出があったんだ。ゼイレームの危機の際には竜騎士の出動の協力をする…と」
「まぁ、キルシェにとっちゃマリアンヌは義理の姉妹で従姉妹だかんな〜」

高祖母様が葉巻きをスパスパ吸いながらそう付け加える。

「かわいいかわいい義妹のいる国が危機に陥るなら、ってキルシェは即断したんだよ。竜騎士団の竜騎士と騎竜を100、派遣するってさ」
「竜騎士と騎竜を100も…!?」

初耳だし、驚きだ。
ノプットの竜騎士団はよほどの事態がない限り、自国から出ない。ノプット自体島国だし、海岸線を護れば防衛できるからみたいだけど。

「あ、ちなみに派遣される竜騎士の中にはミリィ、アンタの祖父母にあたるヴァイスとアリシアも来るかんな」
「ええっ…お祖父様とお祖母様までですか!?」
「あ、あと叔母たちも志願してたから。全員姉を助けるって張り切ってたぜ」

高祖母様からのとんでもない情報に、顔がひきつるのを感じた。

「まさか…あの叔母様方が…ゼイレームに来るんですか……」

お母様には実はあと5人の妹がいらっしゃる。つまり、6人姉妹の長女だ。
お母様はおしとやかで淑女を絵に描いたような御方でいらっしゃるけれども…残りの叔母たちが…。なかなか個性的な方々なんだよね。