【完結】捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?


「あらあ〜それじゃあ、ミリィちゃんは実質的に竜騎士と同じねえ」

ソニア妃がいつもと同じおっとりとした調子で、とんでもない発言をされるけれども。

「……と、おっしゃいましても。わたしは別に竜騎士になりたくてブラックドラゴンを助けたわけじゃないのですが」
「ああ、そうだろうな」

高祖母様は腕を組んでうんうん、と大きく頷く。

「ドラゴンが竜騎士志望で無い人間を認める…ってことは、相当稀なことなんだ。いくら意図的に良くしようが、力のあるドラゴンほど見抜いてしまうからな」
「そうなのよねぇ〜高位のドラゴンほど魔力も知能も高いから、下手な策なんてすぐ見破られるものねえ」

かつて竜騎士だったらしいソニア妃までそんな事をおっしゃいますがね…。

「それでは、ブラックドラゴンはなにがあってもミリィに従う、という事ですか?」

アスター王子がわたしの代わりに質問をしてくださると、ああ、と高祖母様が葉巻きを取り出した。 

「ルーン語を見る限り、そのドラゴンは天地が滅ぼされ身が朽ちようとミリィの味方をするだろうよ。それだけ力のある契約の誓約だ。高位のドラゴンにシラフでそこまでさせるなんざ、さすがアタシの玄孫だねえ」