驚き過ぎて思わず高祖母様に訊き返してた。
「ピッツァさんも、アスター王子の親戚だったんですか!?」
「あーそうさ。あ、ちなみにミリィだっけ?アンタもノプット王家の血を引いてっから」
「は…!?」
なんか、今。衝撃的な内容を聴いた気がする。
「ついでに言うと、今のノプットの女王キルシェはアンタのばあちゃんが養母になって育てた…つまり、マリアンヌとは義理の姉妹、かついとこって事になるな」
「…………」
今の今まで、そんなことはまったく……これっぽっちも聞かされたことがありませんけど?お父様からもお母様からも。お母様の故郷のノプットに関してはあまり話したがらなかった。
お祖母様もお祖父様も。
お祖母様は小柄だけどシャキシャキしてて、明るくて。わたしはよくお祖母様似と言われてた。
お祖父様は優しくて穏やかで。年を重ねても美しい。白銀色の髪はお母様に遺伝してて、ちょっと憧れる美しさだった。
でも、なぜ。皆はわたしに王家の関わりを教えてくださらなかったんだろう?
とはいえ、わたしは別にノプット王家の血を引いていたと聞かされたところで、それはなんとも思わない。誰の血を引こうが、わたしはわたしだ。エストアール男爵家のひとり娘、ミリュエール・フォン・エストアールだ。
騎士と王妃を目指す今までの生き方を変えるつもりは毛頭ない。
わたしの覚悟はそんな生半可なつもりではないからだ。



