【完結】捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?


「そうですね。きっと竜騎士があたりまえなノプットでしたら、竜騎士を目指していたと思います」
「……そうだろうな」

やはりお父様とお母様は親だけあり、わたしの性格をよくご存知だ。
ノプットでは竜騎士になれば女性でも家を継げるらしい。特に代々竜騎士を輩出している古い家系ならば、公爵令嬢でも女公爵になれるとか。
それならばわたしも竜騎士になって、女男爵として家を継ぐ…という考えに当然なっただろう。

「ですが、わたしはゼイレームの生まれ。エストアールの娘です。なれば、最初から騎士にという選択肢以外はありませんでした」

ノプットはノプットであり、ゼイレームはゼイレーム。この国で生まれ育ち、またこの国で生きてゆくわたしには、この国が一番だ。
婚約者であるアスター王子が王太子となり、いずれわたしも王太子妃となる。
騎士と、王太子妃。矛盾する身分と立場だけど、騎士と王の妻という立場を持ったソニア妃という先例がある。彼女は王妃は嫌だと拒否したらしいけど、わたしは覚悟をしなければならない。

いずれアスター王子が国王に即位した時には、王妃となる覚悟を。