「よ、お疲れー!おかげで証拠も言質もバッチリだわー」
パーティの疲れを癒やすためタウンハウスで休憩していると、ピッツァさんがレトムとともに上機嫌でやって来た。
「いやー、わりいなアスター。手柄を譲ってもらっちまって」
「いや、あれくらい大したことない」
「ガハハハハ!さっすが〜器がでけえよな!」
バンバン、といつもの調子でピッツァさんがアスター王子の背中を叩くと、後ろにいたレトムの目が座る。
めちゃくちゃ分かりやすい反応に、思わず頬がゆるむのを感じた。
(レトム、ヤキモチ焼いてるんだ)
さすがにアスター王子が抗議をするけど、彼女はカラカラと笑いとばす。
「バカ力で叩くな。骨が折れる」
「アハハハ!アタシの力くらいでぶっ壊れるヤワな体じゃねえだろ?」
まぁ、ピッツァさんとアスター王子の仲の良さはわたしもちょっとだけ…羨ましい、かな?
でも、いちいちヤキモチやくほどじゃない。ただ単にじゃれてるだけだってわかってるから。
「それより、ピッツァさん。ローズ嬢のことはなにか聴いていませんか?」
今は夜の12時近く。ずっと眠らずピッツァさんの来訪を待っていたのは、その事が気になっていたから。
「あー…バーベインの娘か……今のところ素直にあれこれ喋っているよ。ま、関与していた線は薄いから本人は大した罪にはならんだろうけどよ…親がやらかした罪状が罪状だかんな。まず、身分地位は剥奪されるだろうな」



