たかだか15歳の小娘であるわたしの提案など、ご自身で苦労して道を切り開いてこられた大人には余計なお世話かもしれない。
けれど、やっぱりレディアンジェラはひと筋縄ではいかない商売人だった。
「……一般国民相手に商売……か……うん、それは面白いネタだわ。儲けのニオイがぷんぷんするわ」
「レディ……おやめください」
レディアンジェラがそう呟くと、赤い髪を結った二十代くらいの女性が青い顔をして止めた。
「庶民相手に商売など、“アンジェラのお店”のブランドイメージを著しく傷つけます。特に上流階級の方ほどそう言った事を嫌われますから、顧客離れが起きてしまいます!」
確かに、彼女の言うとおりだ。
気に入らない相手には例え王様でも服を作らない、という気難しいアンジェラのお店で服を作ってもらう事は一種のステータスであり、時には海外からのセレブすら訪れるという国内でも屈指のブランドイメージを誇る。
そんなハイブランドで庶民相手の格安衣料まで始めたとなると、ブランドイメージが著しく下がる事は明白だ。
でも、せっかくレディアンジェラが珍しく興味を持ってくれたんだ。わたしは一生懸命無い頭を絞って彼女に提案を続けた。
「レディアンジェラ、わたしが推薦します。なんなら、わたしや子どもが身につけます。ですから……」
「あらあ〜いいじゃない!ミリィちゃんだけでなく、わたくしも興味が出てきたわぁ」
意外や意外。ソニア妃もわたしの話に乗っかってきた。
「わたくしの故郷のノプットでは、繊維業が盛んだったもの。この国にも繊維業を興すチャンスじゃない?」



