「大丈夫よぉーもう安定期だし、なにかないように魔術かけておくからあ。一緒に訓練しましょ、ミリィちゃん」
ソニア妃はにこにこ笑顔でとんでもない事をおっしゃいますよ。
「ダメですよ!出産までお預けです!!」
「え、産まれたらいいの?なら、今日産んじゃおうかしら〜」
「なにおっしゃってるんですか!この時期だとまだ小さいから赤ちゃんが生きれないって御典医のジョワンさんもおっしゃってましたよね?」
「大丈夫よぉ~ちゃんと普通の大きさにしてから産むからあ。あとはポンッと出すだけ」
「ポンッてそんなに簡単に……」
「ミリィちゃんったら、アスターと同じで心配性ねぇ」
「……いや、ぼくはごく普通の一般常識で言ってるだけですけど……」
ソニア妃は……
アスター王子以上にぶっ飛んだ御方でした。
夢の国でお会いしたときは淑やかでお強い方だとは思ったけど…どうやら願望が具現化するかの国では、あんなふうになってたわけでして。目覚めた後は仲良くしてくださるのはいいんですが……振り回されっぱなしな気がする。
そもそも、目覚めてすぐに魔術で宮殿すべてをぶっ飛ばしましたからね。半径2キロはあるのに。なんか腹黒いやつが来たからとかで。すぐに復元されてましたけど…。
アスター王子が自分の魔術はまだまだ、とおっしゃる意味がよくわかりましたよ。



