という事で、今現在レディアンジェラのお店に向かうため、馬車に揺られています。

一年前は国王陛下主催の狩猟会のパーティで着用するオートクチュールのドレスを作るため、初めて訪れた。その時のドレスで十分と主張して試着したら…
…見事にぱっつんぱっつん。今の体にはキツすぎた。
一応、自分の身体も成長してるらしい。

「ミリィちゃんにはどんなドレスが合うかしら〜去年のドレスは水色だったもの。今年はそうねぇ〜まずは、髪の色に合ったシルバーがいいわね。生地の輝きは控えめだけど、生地に刺繍やラメを入れてキラキラ光るのがいいわね。あと、他のパーティ用のドレスも作っておきましょ!」

車内でひとりはしゃぐのは、ソニア妃でして。わたしの隣に座ってさっきからずっと喋り通してる。
で、向かい側の席のアスター王子が少々不機嫌そうなのは、たぶん拗ねてるんでしょう。

「あの、ソニア妃殿下。わたしはそんなにドレスは要りませんが?」
「あらあ〜、だめよぉ。貴族令嬢たる者、毎回同じドレスで出席なんていけないわ。相手にも失礼になるわよ〜相手を軽んじることになるのだもの。ましてや、ミリィちゃんは王太子妃になるのでしょう?貴族とのお付き合いは今からきちんとこなしておかなきゃ」

……本当に、本当にごく稀にだけどまともな事をおっしゃるんですよね。ソニア妃は。

「はあ…そういうものですか…なんだか、わたしからすれば無駄遣いとしか思えませんが」
「わたくしもそう思うけど、今現在は仕方ないのよ〜だから、ミリィちゃんが王太子妃と王妃になったら変えていけばいいわ」

ソニア妃から、目からウロコが落ちる提案をされた。