【完結】捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?


「……母上、そろそろ話をしていいでしょうか?」

コホン、と咳ばらいをしたアスター王子が言うと、ソニア妃は「そうねえ~」と間延びした喋り方で答える。
で、また御母上様はとんでもないことを息子に言い放った。

「アスターもそろそろミリィちゃん不足だものね?2人でいちゃつきたいでしょ?」
「……そうではない……とは言い切れませんが……それより、ドン・コレッツイの話を」
「あ〜!アスター、なに赤くなってんだよ。ひひひ、やっぱミリィとイチャコラしたいんだな?」
「…………」
「アハハハハ!都合が悪いと黙り込む癖、全然従騎士時代から変わんねーな」

御母上様にくわえて、ピッツァさんまでアスター王子をからかい始めて、もう収集がつかない。
でも、このままいたずらに時間が過ぎてもなんの生産性もないから、わたしは自分からそれを止めるために口を開いた。

「アスター王子!」
「な、なんだ?」

きついくらいの口調でアスター王子を呼ぶと、ほっとしたのか彼はこちらを向く。

「今日はちゃんと、お昼ごはんを召し上がりましたか?あなたはぼくがいないとすぐに食事を抜こうとしますからね」


そう問いただすと……あ、やっぱり。案の定彼の目が若干泳ぐ。

「……また、お昼を抜きましたね?」
「し、仕方ないだろう?会議と書類作成と……膨大な作業があるし、通常業務も疎かにできない。くわえて体を鈍らせるわけにはいかないからな」
「だから、最近眠る時間も短いんですか?ぼくはちゃあんと知ってますからね?あなたが最近明け方までこそこそ仕事してることを」