【完結】捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?


(それに、フィアーナからはブラックドラゴンの襲撃を受けたばかりだ。女王陛下は一切無関係とはいえ、緊張状態になりつつある隣国の王女殿下を……普通なら考えられないけど……王妃様はやはり息子の即位を諦められてないのかもしれない)

ブラックドラゴンからの証言により、彼を操りゼイレームの王宮を襲撃したのは国境付近の副王……かつて、ゼイレームの傍流の王家の血を引いた旧公爵家、ということが判明した。

あちらは前々から怪しげな妖術や呪術の研究を行い、人体実験すら行なって摘発された事もあったらしい。それでさらに反発し、フィアーナ側について裏切ったわけだ。

それにしても、王妃様は一度息子を見限ったはずなのに……やはり、たった一人の息子を国王にしたいと願うのは、母ゆえなのか?
元々、レスター王子はあんなだけど血筋と身分は王子の中で一番のサラブレッドだ。大貴族や古い血筋の家柄ほど支持をしている。
ここで、フィアーナ王国の女王陛下掌中の珠であるプリスマ王女殿下を射止めれば、立太子で一発逆転があるかもしれないんだよね。

大貴族ほど彼を支持するのは血筋もだからだけど、一番の理由は頭が空っぽで扱いやすいからだろう。丸め込みやすいから、自分たちの有利なことを好きにできるから。
だから、大貴族ほどアスター王子の立太子に反対してくるのは目に見えている。