パチパチ、と突然拍手が響き渡る。
緊張が緩んだとはいえ、この場にふさわしくない振る舞いに何事かと音の源を探して驚いた。
いつの間にか国王陛下がこの場にいらして、手を叩いてらしたのだから。
「さすがマリアンヌ。武人の妻に相応しき肝の座りよの」
「あら〜あなた、いらしたんですか?お忙しいとおっしゃってたのに」
「かわいい息子と義理の娘の将来に関わることだからな。まして、将来の国王と王妃だ。私が参加しなくてどうする」
のほほんとした妻のソニア妃との会話は、なんだかほのぼのとした空気が流れている。どちらもゼイレームでは一流の武人であり、魔術師ではあるけれど。夫婦としては上手くいってるみたいだ。
そして、ソニア妃は意外過ぎる暴露をサラリとされた。
「そうね〜あなたがミリィちゃんを気に入るのは、マリアンヌさんとサルバンくんの娘だからよね。あなたはマリアンヌさんを4人目のお妃にしたかったのだもの〜」
「え、そうだったんですか!?」
ソニア妃の暴露に思わず訊き返すと、彼女は片眉を釣り上げにっこり笑った。あ、これ……何度か見たことがある。周りの反応を見て愉しんでる時の癖だ。
「そうよぉ〜本当は、マリアンヌさんが国王陛下に輿入れする縁談が先にあったの。でも、サルバンくんがマリアンヌさんに一目惚れしちゃってね……マリアンヌさんもサルバンくんに恋して相思相愛の仲になっちゃったから、陛下は泣く泣く諦めたのよ〜」
後から知ったお母様とお父様のとんでもない事実に、一瞬思考停止状態に陥った。



