【完結】捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?


そこで、気づいたことがあった。

あの朝……わたしは裸のアスター王子に裸で抱きしめられていた。となると……もしかして……。

「わたし……もしかして子どもができてる可能性があるの?」
「は?」
「……だって……あの朝……アスター王子に無理に抱かれてしまっていたから……」

わたしの発言に、なぜか周囲の空気が凍りついた。

そしてすぐに剣呑な声を発したのが、お父様とソニア妃。

「アスター殿下……娘の発言が一体どういう事なのか、説明していただけますかな?」
「そうよ、アスターったら!ミリィちゃんがかわいすぎるのはわかるけど、オオカミになっちゃだめでしょ!お母様はそんな子に育てた覚えはありません!!」

お父様からは尋常でない殺気を、ソニア妃からは本気の怒気を感じる。

「……エストアール卿も、母上も、落ち着いてください。ルスドの神に誓って、そのような事実はありません」

普通の人ならお父様の殺気で気圧されるだろうけど、さすがアスター王子は平然と相対してる。

「ですが、あなたが娘をベッドにひっぱりこむという噂を耳にしたことがありますぞ?大切な娘を預けた私の信頼を裏切る所業をなさるつもりですかな?」

お父様の怒りも殺気もますます膨らんで、肌にピリピリ突き刺さりそう。今にも腰に下げた剣の柄に手がかりそうな雰囲気だけど。

「お父様、やめてください!原因はわたしなんです。疲れ切った時に睡魔で意識朦朧としたままベッドに潜り込むと、なぜかアスター王子のベッドに寝てるんです!だから、彼は何も悪くありません」