けど、アスター王子は意外な言葉を発した。
「きみはアスカーガの戦いの時に、一番に駆けつけた援軍部隊にいたな」
「……よく、ご存知でしたね。部隊は数百人はいたはずですが」
レトムは緩んだ表情を少し引き締め、アスター王子をまっすぐに見た。
どうやらきちんと話をするべきと判断したらしい。
「忘れないさ。ひときわ素晴らしい剣技を持ち、敵に斬り込んだ勇気ある切り込み隊長。きみの活躍が無ければ、あのとき戦争になってもおかしくはなかった」
アスター王子の意外な高い評価に、レトムも素直に尻尾を丸めたらしい。そのまま破顔して、アスター王子へお礼を返した。
「ありがとうございます。英雄のあなたからそんな高い評価を得られるのは光栄ですね」
「だから、オレは英雄ではないし、そんなもの(称号)は要らないんだが……」
ため息をついたアスター王子の表情から見ると、英雄と持ち上げられるのは不本意らしい。彼らしいと言うべきか。
不穏な空気が流れた気もしたけど、どうやら和気あいあいとした雰囲気になってほっとする。
でも……。
なんだか、くやしい。
騎士として2人しかわからない話をされたら、わたしにはどうしようもない。
「……ずるい!ぼくも騎士として活躍したいし、強くなりたいですよ!だから、アスター王子、レトム。今晩はぼくを鍛えてくださいね!!」
すると、レトムが変な顔をした。
「おいおい、今晩って……ミリィ、おまえいいのか?」
「え、何が?」
「アスター王子と毎晩いつも寝てるんだろう?オレを相手にしていいのか??」
寝る…?アスター王子と??
それに…相手??



