【完結】捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?


ぎゅっと胸のあたりを押さえ、深呼吸して自分に落ち着けと言い聞かせる。

(体調管理も騎士の必須スキルだ……もしも病気ならば、きちんと治療を受けなきゃ)

ただ、今は表沙汰にするほどの症状じゃない。
今夜にでも御典医のジョワンさんに相談してみよう。


今日は、ソニア妃がわたしの両親を招いて婚約についての話し合いがある。

場所はソニア妃のみが住まう離宮。
わたしは普段から出入りさせて頂いているので、ことさら緊張とかは無い。

ただ、今日の会談で必ず出てくるのがエストアール家の跡継ぎの事だろう。
わたしはずっと自分が継ぐつもりでいた。ただ、フランクスに話していたとおりに、自分が家督を継げない場合の保険として、親戚には跡継ぎについての話を通してある。

もしもお父様が了承してくださるならば、その親戚をエストアール家の養子にして、跡継ぎにする……という方法を提案しようかと思う。

その親戚は、レトム・ルヤート。わたしより5つほど年上で、辺境伯のもとで騎士をしている。
もとは従騎士時代近衛騎士団へ推薦された実力者だけど、その話を蹴って自ら地方の辺境伯へと仕えることにした変わり者。
ただ、実力は確かでお父様も何度か手合わせしたけれども、五分五分の戦いを繰り広げるほど。
彼だったら、お父様も認めるのではないかと思う。