翌朝。
珍しくきちんと服を着て起きたアスター王子を、思わずまじまじと見てしまった。
「おい……なんだ、その目は?」
「いいえ、ただ……本当に以前は体が熱かったんだな〜?と思いまして。趣味で裸でいたんではないんですね」
「だから、趣味じゃない!理由は説明しただろう!?」
「魔力制御が上手くいかなかったから…でしたっけ?あれから、体は大丈夫なんですか?」
着替えを手にしたアスター王子の不満はさておき、確かに彼は以前より顔色もいい。
多忙さは増しているけれども、元々タフな人だから魔力が安定すればケロリとしたものだった。
「ああ、旧き森であの不思議な光に触れた時に安定したんだ。自分でも驚くほどスムーズに制御ができている。……それから、これだ」
アスター王子が指し示したのは、ぐちゃぐちゃな机の上に置かれた1冊の分厚い本。立派な装丁のそれは、パグウエル司祭様から譲り受けた貴重なものだった。
「この本のおかげで魔力制御について、ずいぶん勉強になった。パグウエル司祭には感謝しなければな……それと」
アスター王子は、わたしを見て微かに笑う。
「一番感謝したいのは、ミリィにだな。オレの体のことを考えてパグウエル司祭に相談してくれたんだろう?ありがとう」
「……いえ、従騎士ならば当然です」
「だが、オレのためにおまえが一生懸命に努力してくれた……それが嬉しかったんだ」
(え……あれ?)
気のせいだろうか?
なんだか、アスター王子の笑顔が……以前と違う気がする。
なんだろう?
トクッと、鼓動が小さく鳴って、脈が速くなる、
体がふわりと温かいものに包まれたような……そんな落ち着かない気分になった。
(やっぱり…なにか病気なのかな?近頃体がおかしい)



