フランクスの疑問は、当事者なら当然持つだろうな。
だけど、彼は自分を過小評価しすぎてる。
容姿に関しては好みの問題だけどそれでもなかなかいいほうだし、剣技の腕は従騎士の中ではピカ一。
男女問わずわたしの友達になってくれたように、コミュニケーション能力の高さや細やかな気配りができる点は他には得難いもの。忍耐強い性格や根性だってある。
あと、驚くほどの情報通だ。
平民あがりと馬鹿にされてきた彼だけど、交友範囲がかなり広くて、貴族出身の騎士や従騎士たちにもネットワークを広げてる。だから、わたしの知らない情報を色々知ってたりするんだ。
「フランクス、きみはもっと自分に自信を持ちなよ。ぼくがきみの魅力やエピソードを語りだしたら1時間じゃ済まない自信があるくらい、人として魅力的なんだから」
「1時間はさすがに大げさだろう」
わたしの言葉にフランクスは微苦笑するけど、わたしは首を横に振って腰に手を当てると、ずいっと顔を近づけた。
「いや、何なら今から語ろうか?ぼくがレスター殿下の婚約者時代の出会いから……半日掛かりそうだけど?」
「わかった、わかった!半日は勘弁してくれ…眠れなくなっちまう」
両手を挙げて降参のポーズをした親友に、思わず笑みが漏れた。
「わかった……マリア殿下との縁談、真剣に考えてみるよ。光栄なことだし、義実家のルド家には益になるもんな」
「フランクス、あんまりそういう考えじゃなくて、自分の気持ちを第一に考えなよ。将来幸せになれるか……をちゃんと考えて。勢いとか打算じゃなく、マリア殿下ときみの一生を左右するんだから」
余計なお世話かもしれないけど、どうしてもそう言わずにはいられなかった。
「ん、わかった。サンキュー、ミリィ」



