【完結】捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?


「じゃが、ミリュエール。そなたアスター兄上とは懇(ねんご)ろな仲になっておるようではないか!」

マリア王女が叫ぶようにおっしゃられたけれど……はて? ねんごろな仲とは??まったく意味がわからない。

「あの、マリア王女……すみません、ねんごろな仲とはどういった意味でしょうか?」

わからないなら素直に訊くに限る。知ったかぶりをすると、後でたいていろくな事にならない。

「……それすらも知らぬのか……」

はあ、とマリア王女に呆れたような盛大なため息をつかれましたが……。

「はぁ…すみません」

わたしが謝ると、マリア王女は扇子を口元に当てて得意気な顔になった。

「仕方ない、教えてやろう。ねんごろな仲とは、親密になる事じゃ。ことに、男女が情を通じる事を指す」
「親密?情を通じる…ですか?」

はて?アスター王子とわたしは親密な仲なのか?自分ではわからない。

「わからないって顔をなさってるわね、ミリィ」

やっぱりこういった時は年上の女性の余裕か、ソフィア様が助け舟を出してくださるからありがたい。

「はい。情を通じる……とは?わたしはアスター王子の事はなるべく理解したいと思います。だから、知らない事があれぱ知る努力をしたいのです。お恥ずかしい話ですが、わたしはどうもこういった事柄に関しては無知でして……皆様にお教えいただけたらと思います」

ここで思い切って皆様に教えを請い、頭を下げた。
知らないなら、知ればいい。何事も学ぶ努力を惜しまない。

わたし自身、貴族令嬢として本来持つべき知識が壊滅的に少ない自覚はある。なら、これから勉強しようと思う。