【完結】捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?


「……そんな事を言われたのか」
「はい。モテるのはいいですけど、もし立太子の可能性が少しでもあるなら、さっさと最愛の本命を決めてくださいよ。誰もが文句つけられない方を。まだ可能性があるから、といちいち絡まれるぼくの身にもなってください」
「………」
「なんで頭を抱えるんですか?」
「……いや、今までのどんな敵より手強くて困る」
「え、強いライバルがいるんですか?ずるい!ぼくも早くあなたのライバルになれるくらい強くなりたいです…訓練を頑張らないとですね!」

笑顔でそう言えば、アスター王子に特大のため息をつかれた。……何か悩みでもあるのかな?

「アスター王子、悩みでもあるんですか?ぼくで良ければ話を聞きますよ。ほら、胸襟を開いてどーんとぶっちゃけてください!」

ドンッと胸を叩いてそう促せば、アスター王子は肩を落として首をふる。

「いや……いい…」
「なんでですか?ぼくでは頼りになりません?」
「それは違う!だが、あべこべだろ…」
「あべこべ?ぼくがアスター王子に相談ですか?」
「……そうじゃなくて、だ」

アスター王子は片手で顔を覆って、ぼそっとわたしに問いかけてきた。

「もしも、仮にオレが王太子になったら……それでもミリィはオレに着いてきてくれるのか?」