1週間後。
なぜかわたしは、マリア王女主催のお茶会に招待されていた。
とはいえ騎士の業務の間でだから、見習いの制服での参加を許されたのは有り難い。
内輪での開催だから、通常招待される貴族令嬢が居ないのも助かった。
招待されたのはアルベルト殿下の婚約者ソフィア公爵令嬢、マリア王女の姉であられるユリネ王女殿下、そしてわたし。本当にごく内輪ということがわかるごくプライベートなお茶会だった。
「ミリュエール、なにをアホ面して突っ立っておる。今日はそなたも客じゃぞ。ほれ、そこの席に着くがよい」
「は、はあ」
マリア王女に促されて、仕方なくソフィア公爵令嬢の隣に腰掛ける。円形の白いテーブルには高価そうな総レースのテーブルクロスがかけられ、ケーキスタンドには色とりどりの様々なスイーツが置かれている。
温室で育てられたらしい、南国の花がテーブルを華やかに彩り、4月も終わりの晴れた空に映えて美しい。
王妃様ご自慢の庭園でのティータイムなんて、贅沢な時間だろう。
けれども、このメンバーとマリア王女との様子から、わたしには嫌な予感しかしなかった……ら。
「よし、女子会じゃ!みな、すでに結婚が決まった女性ばかりじゃ。それぞれ恋バナをしてもらうぞ!!」
案の定、目を輝かせたマリア王女がろくでもないことを言い出されましたよ……。



