ブラックドラゴンに、今一度問いかけてみる。
「ブラックドラゴン……わたしが身に過ぎた願いをしたとしても、まだゼイレームを護ると言えますか?」
『そなたならば、な。ミリュエールよ、そなたならば他を不幸に陥れる選択はすまいよ』
迷いなく言い切ったその評価はありがたいけど、思わず苦笑いをしてしまう。
「だから、あなたはわたしを買いかぶりすぎです。わたしだとて私利私欲あるひとりの矮小な人間に過ぎませんから。わたしの選択は誰かを悲しませない、不幸にしないとは限りません…そんな自信はない。
ですが、わたしは誰かを救うために騎士を目指した……わたし望みと願いは矛盾するものではあるけれども、なにか道がないか探してみます」
国王陛下になる(かもしれない)アスター王子のそばに騎士としているならば、今すぐ婚約を解消して騎士となり、近衛騎士として御守りするのがベターだろう。
それはわたしの中で目標でもあった。
でも、たぶん。今のわたしはそれでは満足できなくなっている。
今のように、私生活でわちゃわちゃとしたやり取りをして、一番間近な場所で彼を見続けたい。一番そばにいたい……と。自覚してしまったのだから。



