(こんなにも、あのメダリオンに頼っていたなんて……)
自分の未熟さに歯がゆくなる。騎士となればいざという時には己自身しか頼るものが無いというのに、精神的拠り所を物に頼っていた事がショックだ。
でも、それ以上にショックなのがわたしのなかでアスター王子の占める比重がいつの間にか大きくなってしまっていたこと。
今、彼のそばにいる事が、彼と過ごす日常が当たり前過ぎて……それがずっと続けばいい、と。かすかにでも望んでいる。
(……そうか、わたしは……今が、好きなんだ。アスター王子のそばにいる“今”が)
別に、無理に誤魔化すつもりはない。今の今まで本気でアスター王子の幸せを願ってきたし、彼が国王陛下となられるならば、相応しい女性を妃に迎えていただくのはわたしの望みでもあった。
でも、わずかにでもわたしのなかにあった感情を……想いを、否定したくはない。
“アスター王子のそばにいたい”ーーという、正直な気持ちを。



