たとえ星が降らなくても【奈菜と南雲シリーズ③】


くそっ、完敗だ。

好きな()からこんなことを言われて、断れるやつがいたら見てみたい。

「しょうがないな……付き合ってやるよ。お前一人じゃ、どれがどれだか分かんないだろうからな」

「もうっ、素直じゃないんだから……」

呆れたような声でそう言った彼女は、くすくすっと小さく笑ってから俺を見上げる。
そして輝くばかりの笑顔を浮かべた。

「ありがとう、南雲」



このまま雨が止まなくても問題ない。
たとえ星が降らなくたって、いつだって俺にはおまえの笑顔がキラキラ光って見えるから。夜空に(またた)く星よりずっと。

(今度どっか星を観に連れてってやるかな)

満点の星空の下で、降ってくる星に手を伸ばす彼女を思い浮かべる。
輝くような笑顔を浮かべた彼女の隣で、俺は俺だけの星をずっと見ていたい。

そう思った。






【了】