季節はいつの間にか秋。

10月に入ってすぐの日曜日。

朝っぱらからそーちゃんの携帯が鳴る。



「…はい」

いつもならまだ起きる時間じゃない5時半。

私もその音で目が覚めた。



「うん…うん。
おめでとう。また行くから。
うん、じゃあ」



そーちゃんは手短に電話を切る。

「…おはよ」

その様子をじっと見ていた私を抱きしめて額にキスをした。

「隆道に、子供が産まれたって。
男の子だって。
今度の休みに行ってみようか?」

私はうん、と頷いた。



ようやく。

池田さんの所にも子供が生まれて。

色んなところで少しずつ。

変化がある。



命は確実に、引き継がれていってるんだ。