「自分の価値まで下げるつもりはないわ。正直お金はもう要らないけれど。その時点で察してくれるくらいじゃなきゃ」

「そうだな。わりぃわりぃ。今の俺ァ少々紳士的じゃなかった」

「あら? 既に紳士ではないわよ,あなたは」



愛してはいるくせに,妻子を裏切って"騙してる"女の子が沢山いるんだもの。



「あぁ,2人目,おめでとう。言い忘れていたわ,うっかりね」

「なんでしってんだよ…」

「小耳に挟んだのよ,悪い?」

「いーや,分かったありがとう。ところで次なんだが…四十万程しか手持ちがねェ。連絡するならそれを知った上でにしてくれ」



お前はいつも最後に金額を決めるからな。

彼は最後に髪をとかすと,私にそう言った。



「…えぇ。子供にはお金がかかるでしょう」