「そうか? 信じたきゃねーが…どっか禿げてるか?」

「いいえ? 全く。あなたの髪型は今も魅力的」

「そうか,じゃあ雰囲気か? まぁしゃーねーだろ。お前と出会ってからもう1年じゃねーか?」

「やーね。初カノ持った高校生みたいなこと言わないで頂戴」

「ははっ手厳しい。今日の分だが…」

「…四万でいいわ」

「そりゃ安い。どうしたんだ」

久しぶりにとてもいい話が出来たから(ただの気まぐれ)よ」

「あー? 罪がどうのこうのってやつか? まぁいい。どうせならタダでもいいんじゃねーか?」



男は趣味の悪い笑みで私を振り返る。

ゆっくり押し倒されながら,本気でないと分かっている私もまた,胸板をとんっと強く弾き返した。